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大阪・関西万博2025・オランダ館

Aptitude Fragments

Mae Engelgeerと富士吉田の織職人との創造的なコラボレーション

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大阪・関西万博2025のオランダ館のために制作されたこのテキスタイル/カーテンは、オランダ人デザイナーMae Engelgeerと富士吉田の織職人との創造的なコラボレーションの結晶です。この対話は数か月にわたり丁寧に重ねられ、伝統と革新を融合させるデザインへと昇華しました。

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デザインについて

視覚的なレイヤーの概念を分解し、実際のレイヤーへと変換するデザイン £ 覆い隠し、そして現れる織物このテキスタイル作品/カーテンは、2025年大阪・関西万博のオランダ館のためにデザインされました。オランダのデザイナー Mae Engelgeer と、富士吉田の織工たちによる創造的なコラボレーションの成果です。本作は、国際的なデザイナーと地元の職人の協働を促進する URAプロジェクト の一環として、数か月にわたる対話を通じて生まれました。

富士吉田 は、山梨県の富士山の「裏側」(日本語で“URA”)に位置する町であり、独自のテキスタイルデザインと織物産業の長い伝統を誇ります。町の立地や標高、大きな水域や主要な交通路からの距離が、この地域の織物産業の発展に大きな影響を与えました。馬で運べる軽量でありながら高品質な布が求められ、極細の絹糸などを用いた繊細な技術が発展し、世界的にも評価される高級軽量織物が生み出されました。

富士吉田の特徴的なテキスタイルデザインは、時代の需要に応じて発展し、中でも 着物の裏地(Ura Gaeshi) は、富裕層が目立つことなく個性を表現する手段として用いられてきました。多くのデザインは、江戸時代にオランダの貿易商によって日本にもたらされた、インドやシルクロード各地の文様に影響を受けています。これらの歴史的な交流は、富士山の麓に根付いた、日本とオランダの文化的なつながりの原点でもあります。

オランダ館のためのテキスタイルデザイン では、この豊かな歴史的背景を反映した要素を取り入れることを目指しました。Mae Engelgeer は、まず富士吉田のアーカイブに残る伝統的なデザインに着目しました。これらは一見するとレイヤーが重なり合っているように見えますが、実際には織りと色彩技術によってその効果が生み出されています。メイは、この地域の多様な織物の可能性を引き出すため、デッドストックの生地と特別に織られたテキスタイルを組み合わせました。既存のデザインに焦点を当て、循環型アプローチを取り入れることで、彼女ならではのスタイルを持つ新たな作品が誕生しました。

Maeのデザインは、視覚的なレイヤーの概念を分解し、実際に触れることのできるレイヤーへと変換しています。これにより、覆い隠すことと、現れることの両方を可能にする織物が生まれました。 これは、着物の裏地のように、特定の状況でのみ姿を現す「隠された美しさ」へのオマージュでもあります。このテキスタイルは、富士吉田の伝統を尊重しながらも、新たな視点で再解釈し、2025年大阪・関西万博のオランダ館にふさわしいデザインとして昇華されています。過去と現在をつなぐ、インスピレーションあふれる意欲的なコラボレーションの結晶です。

デザイナー:Mae Engelgeer

織職人:Watanabe Textile、前田源商店、槙田商店

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